VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)
VMDを改めて振り返りたいと思います。
VMDとはビジュアル・マーチャンダイジングのことで、視覚表現を中心とした多様な演出で、お客様の購買を喚起する、ディスプレイによるマーケティング手法です。
「見やすく、買いやすく、売りやすい」売り場を作ることを目指しています。
VP(ヴィジュアルプレゼンテーション) =ぱっと見でお客様の足をとめる。
PP(ポイントプレゼンテーション) = 商品に注目させる。
IP(アイテムプレゼンテーション) = 商品を手に取ってもらう。
3点の考え方を中心につくられます。
広告業界のAIDMA
(注意→関心→欲求→記憶→行動)の購買プロセスと近い考え方です。お店で販売している洋服や商品が売れるために、VMDの考え方を基に、購買意欲をそそる商品を引き立てる手法を考えます。
あなたを導く。VMDの極意!…?
スーパーや薬局、ホームセンターなど、常設のサインを使ってコーナー誘導するお店はこれにはあてはまりませんが、アパレルや雑貨店などの多くは、独自のVMDのルールーに基づいたディスプレーによって視覚誘導をしています。サイン誘導しているわけではないので、お客様が意識しない限り、なんとなく導かれるように目的の品物へたどり着くわけです。
生物学・心理学に基づいたVMD理論
気付かせるワザ「VP」(ビジュアル・プレゼンテーション)は、売り場から離れたお客様に気付いてもらう仕掛け。
足を止めさせるワザ「PP」(ポイント・プレゼンテーション)は、商品がある場所まで誘導し足を止めさせる仕掛け。
手に取らせるワザ「IP」(アイテム・プレゼンテーション)は、目の前の商品を手に取ってもらう仕掛け。
その理論に基づいた効果を用い、無意識に視覚に働きかけ導く…これがVMDの極意です!(たぶん)。
皆さん、次の買い物の際は、意識してみてはいかがでしょうか。
VMDのセオリーを変えたLifestyle Shop のVMD。
通常の一般的なアパレルショップのVMDというと、アイテム別にゾーニングされた店内の、どこに何のアイテムがあるかを知らしめる手段として主にプランニングされていましたが、欧米系ファストファッションや、高感度セレクトショップ、ライフスタイル型ショップの台頭以降、「アイテム別型VMD」から「テイスト別型VMD」にトレンドが変化してきました。
「アイテム別型VMD」は、「ここにアウター、インナー、ボトム、がありますよ~」
「テイスト別型VMD」は、「ここにビジネスカジュアル系、ここに週末ラグジュアリー系ありますよ~」といった具合。
テイスト別になってくると、アイテム単品の数量はすくなく、ゾーニングがより細分化されていく。1つの店舗の中にちっちゃい店舗がいくつもあるイメージ。これらが、ウイメンズ、キッズ、メンズ、雑貨、などのゾーニング、同線計画と相まって、理屈上は複雑化しています。
深いブランディング理解が求められるのがLifestyle Shop のVMD。
そこでVMD担当に求められるのは「らしさ」を体現する「センス」です。もちろん、目を引き、立ち止まらせ、手に取らせる、VP・PP・IPのセオリーの落とし込みは必要ですが、「この順番でこのアイテム、このテイストにめぐり合うのがウチらしい」といった、ストーリー性のある感覚的ゾーニングセンスがもとめられます。「らしさ=ブランディング」。これらのVMDプランニングは、VMDの知識に加え、深いブランディングの理解が不可欠なんです。
皆さん、こんな経験はありませんか?
買い物をしにお店に入って、なんとなく進んでいったら目的の商品の場所へたどり着いたことが。実はこの現象のほとんどが、VMDの力で導かれているのです。
オランダのおしゃれスーパー事例
シンプルでざっくりとした素材感の内装と什器、手書きPOPがおしゃれで、商品陳列の仕方もVMDのお手本のようなお店で感動しました。アパレルでもPOPの使い方や商品陳列は参考にできそうです。イートインスペースもあり思わずビールを飲んでしまいたくなります。帰国後、調べたところ「本物の商品」を扱うことをコンセプトにしたスーパーで、地元の生産品を中心に商品をラインナップしているとのこと。オランダに行ったときは行ってみてください。おススメです。
COPACK DISPLAY PROJECT
コパックは、ただ什器をデザインし作るだけではなく、ひとつのプロジェクトとして考え、VMDから提案しています。
https://www.copack.co.jp/display-project