ハンガー・リユースシステム「ハンガーを1本たりともゴミにしない」
店頭で目にすることはあまりない、洋服を運搬する時に使用される流通用のハンガーを再利用する仕組みが、ハンガー・リユースシステムです。
1991年業界初のハンガーリユース事業を開始し、現在50社以上の企業にご利用いただいている、サスティナブルな仕組みです。
回収されたハンガーを選別・洗浄して再利用。再利用商品の為、重衣料向けの肩厚のあるボリュームハンガーををリユース単価で利用できます。
ハンガー・リユースシステムの詳細ページ
流通用のハンガーについて補足
店頭でシワもなく綺麗に陳列されている洋服は、ハンガーがにかかった状態でお店に配送されているものがあります。これがアパレル業界を影で支えるハンガーなんです。
その大事な役割とは、洋服の最終仕上げを行う工場(主にプレス工場)から、皆さんが洋服を買うお店迄、洋服がシワにならないよう輸送する事。身近な例で言えば、クリーニング屋さんのハンガーが近いですね。シワにならないようクリーニングを終えた洋服は、ハンガーにかけて保管してありますよね。流通用のハンガーは、主に店舗では仕上げのできない商品(スーツやフォーマルウェア等)に使用されいます。プレス工場でアイロン掛けしシワにならないようその場で流通ハンガーに吊るされます。その後、専用のトラックでハンギングされたまま輸送され、物流センター等を経由し、最終目的地であるお店迄配送されます。
ハンガーリユースシステムによる環境貢献
CO2削減量は 40,866t
樹齢40年の杉の木のco2吸収量 1,703万本相当
(1997/9~2022/8 25年間の合計値)
なんと、杉林17,030ヘクタールに相当します。小さなハンガー1本1本の積み重ねが大きな効果を作っています。
25年で累計1億8000万本のハンガーを回収しています。回収ハンガーをすべて廃棄償却した場合、40,866t(上記)のCo2が排出されていた想定となり、樹齢40年の杉の木のco2吸収量 1,703万本に相当します。
ハンガーリユースシステムの仕組み
廃棄されている納品ハンガーをリユースし、再度納品ハンガーとして使用するシステムです。
システムに使用されるハンガーは指定ハンガーを使用し、使用後は指定の回収方法で回収します。
指定ハンガーは、日本百貨店協会、日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)認定ハンガーである、統一ハンガー、流通用循環ハンガーを使用します。
指定ハンガーは、他のハンガーと見分けるべく、協会の認定ロゴマークを刻印し、区別し易くしております。
改善すべき課題
ハンガーリユースシステムはハンガーを指定の回収ボックスに戻してもらわないと成り立たない仕組みです。
実際のところまだまだ、戻ってくるハンガーの割合はまだ道半ばの50%にも達していません。
「ハンガーを1本たりともゴミにしない」の理念を実現するには、アパレルショップの店頭に立つ1人1人にこの取り組みを理解いただき、
行動の積み重ねが環境貢献につながることを伝えていく必要があります。
プラスチック資源循環促進法
2022年4がつに施工された新法ですが、「特定プラスチック使用製品」に衣類用ハンガーも含まれています。
「プラスチック資源循環促進法」にはワンウェイプラスチックの削減として、12品目が新法の対象製品に指定されました。
① 特定プラスチック使用製品【政令】
・主としてプラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、櫛、剃刀、シャワー用のキャップ、歯刷子、ハンガー、衣類用のカバー
12品目の中には、“ハンガー”と“衣類用のカバー”が含まれています。
② 特定プラスチック使用製品提供事業者の業種【政令】
・各種商品小売業、各種食料品小売業、その他の飲食料品小売業、無店舗小売業、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業、洗濯業
新法の対象業者としては、“小売業”・“洗濯業”が名指しされており、“ハンガー”と“衣類用のカバー”の排出の抑制が義務付けられます。
(ただし、対象企業は21年度において提供したプラスチック製品が5トン以上)
また、取り組みが不十分と判断されると罰則として社名の公表がされるため、アパレル様やクリーニング店様のご担当者様の中には、対応を悩んでいる方も多いかと思います。
出典:経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/plastic_junkan_wg/pdf/010_01_00.pdf
2.新法への対応の方法とは
プラスチック製品の軽量化やプラスチックの代替材料を活用
出典:環境省 http://www.env.go.jp/recycle/recycle/pdf/gaiyou2.pdf
『プラスチック製品の設計を環境配慮型に転換』とはすなわち、プラスチックの使用をできるだけ削減しなさいということです。
プラスチック製品の設計を見直してプラスチック製品を薄肉化することや、リサイクル促進のめにプラスチック製品を解体しやすい設計にすること、プラスチック代替材料を使用することが対策としてあげられます。近年ではバイオマス材料・紙素材・石灰石など、石油系樹脂の削減のために様々な代替材料が開発されています。
弊社のハンガーも従来モデルから軽量化を図った新型ハンガーをリリースしました。
使い捨てプラをリデュース
新法では、使い捨てプラのリデュース方法として以下の工夫が提案されています。
□プラ製品の使用について消費者の意思を確認することや有償で提供すること
□消費者がプラ製品を使用しないようにポイント還元等で誘引する手段を取ること
□消費者にプラ製品の繰り返しの使用を促すこと
※特定プラ製品の有料化の義務化は規定されていないようです。
資源循環(リユース・リサイクル)
新法では、以下の目標が定められています。
□2035年までにプラスチック製容器包装及び製品のデザインをリユース又はリサイクル可能なデザインに
□2030年までにプラスチック製容器包装の6割をリユース又はリサイクル
□2035年までに使用済プラスチックを100%リユース、リサイクル等により有効利用
30年以上前から実践しているハンガー・リユースシステムがこれに該当します。
「プラスチック資源循環促進法」がアパレルに与える影響のコラム記事
回収対象テナント
多くのテナント企業から回収のご協力を頂いています。
百貨店
三越伊勢丹・そごう西武・高島屋・大丸松坂屋百貨店・阪急阪神百貨店・近鉄百貨店その他全国の百貨店
ファッションビル
ルミネエスト・ルクア・アミュプラザなど
JR各社駅ビル
ミロード・ジョイナス・なんばパークスなど
私鉄各社モール
PARCOなどの各商業施設
アウトレットモール
MOP プレミアムアウトレットなど各商業施設
ショッピングモール
イオンモール・アリオ・ららぽーと・ゆめタウンなどの商業施設
参加アパレル一覧
アニエスベー ジャパン㈱
㈱アバハウスインターナショナル
㈱アランシア
イギン㈱
㈱イッセイミヤケ
㈱ウールリッチジャパン
㈱エイ・ネット
㈱エリート
大賀㈱
㈱オッジインターナショナル
㈱オールスタイル
㈱オンワード樫山
㈱カインドウェア
㈱クイーポ
クロスプラス㈱(ジュンコシマダ)
㈱サザビーリーグ
㈱三陽商会
㈱シップス
㈱ジュンアシダ
㈱ジョイックスコーポレーション
㈱ジョイントワークス
㈱スピックインターナショナル
㈱スーパーボイス
セッション
㈱ダイドーフォワード
T C
㈱デサント
㈱東京ソワール
東レ・デュプロモード㈱
㈱トゥモローランド
㈱トリヰ
㈱ナイツブリッツインターナショナル
ナラカミーチェジャパン㈱
㈱ノッシュ
㈱花井
㈱ハウスオブロータス
㈱パパス
㈱バロックジャパンリミテッド
㈱ピーエックス
㈱ピーアンドエム
㈱ビギ
㈱ファイブフォックス
㈱ファイーストカンパニー
㈱フィルム
フォーティファイブアールピーエムスタジオ(株)
㈱フランドル
㈱ブルックス・ブラザース・ジャパン
㈱フレームワークス
㈱ベイクルーズ
㈱マッシュスタイルラボ
㈱メルローズ
㈱メンズ・ビギ
㈱ユナイテッドアローズ
㈱ヨーガンレール
㈱ラピーヌ
㈱リステア
㈱リンク・セオリー・ジャパン
㈱ルドーム
㈱レリアン
50音順記載(2023年4月現在)
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