サーマルリサイクル出来るマネキン
従来のマネキンはFRP製であり、処分方法は産業廃棄物扱いで単純焼却か埋立処分がほとんどです。その主な原因となるガラス繊維に代わり100%天然素材のエコ繊維を使う製法を用いることで、廃棄処分せずにサーマルリサイクルとして生まれ変わるマネキンが出来ました。耐久性も従来のFRP製と変わらないため安心してご使用頂けます。
これらのマネキンは弊社オリジナルのシリーズ(下記リンク先)をもとに成型しておりますのでサイズ感などご参考ください。
FRPの現状
そもそもFRPとはガラス繊維と樹脂を主成分とした強化繊維プラスチックで、金属に比べると非常に軽く強度も強いのが特徴です。身近なものだとユニットバスなどの住宅設備や小型の船体、自動車などの内外装に使用されております。軽くて丈夫な造形物を作るにはうってつけの素材で、マネキンもFRP製をメインとして生産されております。
しかし、そんなFRPですが廃棄方法(単純焼却、埋立処分)に課題を抱えています。単純焼却はゴミとして焼却しているのでCO2が発生したり、ガラスが燃える高温度な炉を所有している施設も多くはありません。また、埋立処分はあと20年で日本の埋め立て地が満杯になると言われております。この他にも、生産工程で微細なガラス繊維が体内に入ってしまうとで咳や鼻水が止まらなくなるという生産者側のデメリットもあります。
サスティナブルなモノつくりを目指す弊社としてもその背景を楽観視できません。
固形燃料(RPF)として生まれ変わります
そこで開発したのがガラス繊維に代わり、100%天然素材のエコ繊維を使用することで固形燃料(RPF)化出来るマネキンです。固形燃料(RPF)とは石炭の代替品として近年注目を浴びており、製紙メーカーさんの紙を作るための電力や、温泉施設の熱源として使用されております。
従来のFRP製品を固形燃料(RPF)化して焼却炉で燃やすとガラス繊維は燃え切らず残ってしまい、炉が壊れてしまう恐れがあり実用化には適していませんでした。また、マネキン手首の素材であるPVC(塩ビ)も塩素濃度が高いため、焼却するとダイオキシンを発生させてしまいます。それらの問題を解決するために、手首と腕を一体化させてPVCを使用せず、エコ繊維と樹脂を使用することで、固形燃料(RPF)として生まれ変わるようになりました。
運用の流れとしては弊社独自のスキームで、店舗で使用しなくなったマネキンをリサイクルセンターに回収しパーツ毎に仕分けを行います。ベースやシャフトなどの金属パーツはマテリアルリサイクルし、マネキン本体は細かく裁断して固めて固形燃料(RPF)にします。この結果をリサイクル証明書として発行することも出来ます。
素材の風合いを感じる仕上げ
顔料や素材の骨粉を直接混ぜて成型する手法や、成型後に素材感を出すためのサンディング加工などのひと手間を加えることで、従来のような単色仕上げではなく素材の風合いを感じる仕上がりを目指しました。塗装剥がれの心配が無く、綺麗なマネキンを長く使用出来ます。グレーの顔料を混ぜ込みコンクリートの荒い感じを表現した[CONCRETE]や、木の骨粉を直接混ぜ込んだ仕上げの[WOOD]、デニムの切れ端を混ぜ込んで成型する[DENIM]など、様々な素材とミックスした表現が可能です。
渋谷パルコCABANE de ZUCCa
期間限定ですが、渋谷パルコ4FのCABANE de ZUCCaにてご使用頂いております。白色マネキンが従来のFRP製で、色が有るものがエコ繊維を使ったマネキンです。
https://mastered.jp/news/zucca-color-new-period-20200124/
開催日時:2020年1月24日(金)~2月11日(火)
開催場所:CABANE de ZUCCa 渋谷パルコ
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 4F
最後に
上記期間終了後でも、弊社ショールームにディスプレイしております。今回ご紹介したのは弊社オリジナルの商品になりますが、サイズやポージングなどの形状変更や、不必要になってしまった商品の服をマネキンに混ぜ込めないかのご相談も承っております。ご興味のある方は是非ご来社ください。